歯のクリーニング

歯医者で行う“クリーニング”とは

自宅での日々のセルフケアだけでは取り除くことのできない歯石やプラーク(歯垢)は、時間の経過とともに虫歯や歯周病、口臭などの原因になります。歯医者で行うクリーニングは、歯科衛生士や歯科医師が専用の器具を用いてこれらの汚れを取り除き、お口の中の健康を維持するための非常に重要な施術です。ですが、クリーニングだけで歯を完全に守れるわけではありません。

よくある誤解

歯医者さんへのクリーニングはご自身のタイミングで、それ実は危険です!

ほとんどの患者様の大きな誤解ですが、実は「クリーニングで歯が綺麗になる・完全に守れる」わけではありません。
あくまでクリーニングは「健康な口腔内状態」を維持するものであるため口腔内に異常がある、歯周病になっている場合にはクリーニングでは治りません。 その場合はまず”歯周病の治療”や”虫歯治療”が必要です。
また「症状がないから異常はない」というわけでは決してありません。
なぜなら虫歯も歯周病も痛みを伴うのはかなり進行してしまってからになるからです。

このようなお口の中の異変・異常は、患者様ご自身では気づきにくく、歯科医師や歯科衛生士による専門的な検査・診断で気づかれることがほとんどです。
仮に治療をせずに、クリーニングで歯を必死に守ろうとすることは非常に困難と言われており、「最低でも2日に1回は歯医者に通院しないといけない」と言わているほどです。
ですから、かかりつけの歯医者さんがない方、長い間歯医者さんに行かれていない方は、まず初めに「歯科医院での検診」を受診いただくことをおすすめします。

クリーニングの4つの効果

「健康になった・綺麗に治った口腔内状態」を維持するもの

1.虫歯や歯周病の予防

治療で健康になった口腔内状態でも日々私たちは食事をするためどんなに丁寧に日々の歯磨きやセルフケアを行っても、完全にお口の中の汚れを取りきることは難しいです。
クリーニングによって、特に磨き残しの多い歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)にたまった歯石やプラークを細かく除去することが可能になるため、虫歯や歯周病の予防につながります。

2.着色汚れ(ステイン)の除去

ホワイトニングのように歯そのものが白くなるわけではありませんが、専用の機器を使って歯の表面についた着色汚れを取り除くことができます。

3.口臭の改善

口臭は、お口の中で細菌が繁殖していることが大きな原因のひとつであり、特に歯周病が進行している場合や、歯石が多く付着している場合に口臭がひどくなります。クリーニングによって細菌をしっかり除去することで、口臭の改善につながります。

4.虫歯や歯周病の早期発見

定期的なクリーニングで歯医者に行く際に、お口の中のチェックを行うため虫歯などの早期発見につながります。

保険と自費のクリーニングの違い

保険適用の場合
目的 歯周病の治療
内容 歯石除去や簡単な研磨など
費用 保険適用で3000円〜4000円程度
特徴 歯周病の治療になるため、病気と診断されると適応になります。保険の場合は国で決められた治療回数があります。
見た目の改善には重点を置いていません。

こんな方におすすめ

「回数がかかっても1回の費用を安く抑えたい方」
「着色除去など見た目の改善をあまり希望されない方」

自費診療の場合(当院の場合)
目的 予防歯科・審美目的のクリーニング
内容 専用の機器を使用した歯石、着色除去
費用 6,000円〜15,000円程度
特徴 回数や期間の制限はなく、短期間でよりお口の健康を促進するために患者様にお合わせたカスタマイズが可能です。
歯茎のマッサージなど+αの施術も可能となります。

こんな方におすすめ

「1回で汚れをしっかり除去してスッキリされたい方」 

クリーニングに関するQ&A

Q. クリーニング時に痛みはありますか?

A. 通常は痛みを感じない場合も多いですが、歯石が多い場合や前歯など敏感な箇所は痛みや出血が生じることもあります。当院では、歯科衛生士が痛みがないか細かく確認しながら進めていきますので、痛みに弱い方、しみ易い方も安心してご来院ください。

Q. クリーニングはどのくらいの頻度で受けたらいいですか?

A.一般的には、3ヶ月に一度の来院が推奨されています。
ですが、こちらはあくまでかなり健康な方の参考値にはなるため、より口腔内を守りたい方、病状が悪化しやすい方は1ヶ月に1回であったり、元々の全身状態のリスクの高い方には期間を変えてご提案をさせていただいています。
結果として長い目を見てご自身の歯を大切にしていただくためです。

ですが、あくまで毎日のケアは患者様ご自身となるため、綺麗に磨いて来ていただくことは欠かせません。その上での歯科医院でのクリーニングは、歯茎が引き締まった状態で細かいところまでクリーニングができるためより口腔内を守ることがより可能となります。
メインテナンスも1年に1回よりも6ヶ月に1回、6ヶ月に1回よりも3ヶ月に1回と短期間の頻度であればあるほど虫歯や歯周病になるリスクが低く、仮になってしまっても早期に見つけ、患者様のご負担を少なく治療を行うことができます。