歯科でのボトックスの主な適応
①歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)の改善
夜間の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりは、顎関節症や歯の破損、肩こり・頭痛の原因になります。
ボトックスを咬筋(こうきん:奥歯の筋肉)に注射することで、
・噛みしめる力が緩和される
・顎の張りが取れ、フェイスラインがすっきり
・歯への負担が減り、摩耗や欠けを防止
美容と機能の両方を整える治療として、非常に人気があります。
②ガミースマイル(歯ぐきが見える笑顔)の改善
笑った時に歯ぐきが大きく見える「ガミースマイル」。
上唇を引き上げる筋肉にボトックスを注射すると、唇の上がりすぎを抑えられます。
手術のようなダウンタイムもなく、注射だけで自然な笑顔を作れるのが魅力です。
効果は3〜6か月持続し、繰り返すことでより安定します。
③顎関節症の緩和
顎の筋肉(咬筋・側頭筋)が硬くこわばっていると、
・開口時の痛み
・顎のだるさ
・カクカク音が鳴る
といった症状が出ます。
ボトックスを使うと筋肉の緊張が緩み、顎関節への負担が軽減されます。
マウスピースと併用すると、より効果的です。
④機能的な美容効果(フェイスラインの引き締め)
ボトックスは筋肉をリラックスさせるため、咬筋が発達している方では「小顔効果」も期待できます。
過度なエラ張りが自然に和らぎ、【噛みしめ癖の改善+顔のラインがすっきり】という一石二鳥の効果が得られます。
治療の流れ
1.カウンセリング・診査
筋肉の状態、噛み合わせ、表情を確認。
2.注射(約5〜10分)
極細の針で気になる部位に注入。
麻酔クリームを使用するため痛みはほとんどありません。
3.アフターケア
当日は激しい運動・マッサージを控える。
通常は翌日から普段通りの生活が可能です。
4.効果発現と持続期間
2〜3日後に効果が現れ、約3〜6か月持続します。
定期的に繰り返すことで、筋肉の緊張が徐々に弱まり、持続も長くなります。
副作用・注意点
ボトックスは安全性が高く、世界中で医療・美容に広く使用されています。
副作用はまれですが、以下の点には注意が必要です。
・注射部位に軽い腫れ・内出血
・効果が強すぎると一時的な噛みづらさ
・妊娠中・授乳中は控える
効果は数か月で自然に消失するため、安心して調整が可能です。
ボトックスのよくある質問
極細の針を使用し、数秒で終了します。痛みはほとんどありません。
個人差はありますが、3〜6か月が目安です。繰り返すことで持続期間が延びます。
歯科で行うボトックスは筋肉を“完全に止める”のではなく、“力をやわらげる”目的です。
自然な表情を保ちながら機能改善を行います。
