「痛くないから大丈夫」は危険信号

「歯が悪いのはわかっているけど、痛みがないから放置している」という方は少なくありません。
しかし、悪くなった歯を放置することで、お口だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす危険性があります。
この記事では、なぜ悪い歯を残しておくことが危険なのか、そのリスクと早期治療の重要性について解説します。

悪くなった歯を放置することで起こるリスク
①歯周病が進行して歯を失う
虫歯や歯周病を放置すると、やがて歯がグラグラになり自然に抜けてしまいます。
歯周病は「歯を支える骨」を溶かしてしまう病気であり、一度溶けた骨は自然に元に戻りません。
②感染が広がり全身へ悪影響
歯の根の先に膿がたまる「根尖性歯周炎」や、歯周病菌が血流に乗って全身に広がると、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病の悪化など、命に関わる病気のリスクを高めることも報告されています。
③強い痛みや腫れを引き起こす
放置した歯は、ある日突然ズキズキと痛み出したり、顔が腫れるほどの炎症を起こすことがあります。
これらの症状が出た時には、緊急処置や抜歯が必要になるケースが多くなります。
④噛み合わせや他の歯に悪影響
悪い歯をかばって噛む癖がつくことで、顎や他の歯に過剰な負担がかかり、さらに問題が広がります。
「歯を残したい」という気持ちは大切ですが…
現代の歯科治療では「できる限り歯を残す」ことが基本です。
しかし、次のような歯は無理に残すことでかえって危険を招く場合があります。
- 根が割れている(歯根破折)
- 重度の歯周病で大きく骨が溶けている
- 繰り返し腫れや膿が出ている
- 他の歯や歯ぐきに悪影響を与えている
こうした場合、早期に抜歯し、インプラントやブリッジ、入れ歯などで補う方が結果的にお口全体の健康を守れることが多いのです。
悪い歯を放置せず、早めの対応を
- 痛みがないうちに治療すれば、通院回数も少なく済む
- 抜歯後すぐに対策すれば、骨や歯ぐきが健康なうちにインプラントなどが可能
- 定期検診で早期発見すれば、最小限の処置で済む
悪い歯を長期間残すと、骨が溶けてインプラントが難しくなったり、周囲の歯も巻き添えになる危険があります。
当院の考え方|お口全体の健康を将来を見据えての治療
当院では、「1本の歯」だけでなくお口全体と将来の健康を見据えた診断を行っています。
- 残せる歯は全力で残します
- 残せない歯は早めに抜歯して周囲を守る場合があります
- 抜歯後はインプラント・ブリッジ・入れ歯などで適切に補う
これにより、長期的にお口の機能と見た目を保つ治療を行います。
まとめ
悪い歯は「放置」が一番危険です
「痛みがないからまだ大丈夫」と放置してしまうことが、最も危険です。
悪い歯を残しておくことで、他の歯・顎の骨・全身の健康まで損なうリスクがあります。
早期に適切な診断を受け、必要な治療や抜歯を行うことで、結果的にお口全体を守ることにつながります。
少しでも気になる歯があれば、早めの受診をおすすめします。