「骨が足りない」と言われて驚いた方へ

歯科医院で「インプラントをするには骨が足りない」と言われ、不安になった経験はありませんか?
歯を抜いた後、時間が経つと骨が痩せることは自然な現象であり、多くの方に起こります。
この記事では、歯を抜いた後に骨が減る理由や、それがどんな影響を及ぼすのか、さらに対処法について解説します。

なぜ歯を抜いた後に骨が減るの?
歯が抜けた後に起こる骨の減少は「顎骨吸収(がっこつきゅうしゅう)」と呼ばれる現象です。
これは以下のような理由で起こります
歯の根がなくなることで刺激が失われる
骨は「力(刺激)」が加わることで維持されます。歯を失うと噛む刺激がなくなり、その部位の骨が吸収されます。
生理的な治癒反応
抜歯後は歯ぐきが閉じる過程で骨も自然に縮小します。
歯周病や炎症が原因
抜歯になった原因が歯周病や根っこに膿みが溜まる根尖病巣を持っていた場合は抜歯後に骨が大きく減っているケースが多いです。
骨が減るとどんな影響があるの?
歯が抜けた後に起こる骨の減少は「顎骨吸収(がっこつきゅうしゅう)」と呼ばれる現象です。
これは以下のような理由で起こります
①インプラントができない・難しくなる
骨がインプラントを支える土台になるため、十分な高さや幅がないと埋入できません。
②入れ歯が安定しない
土台となる骨が痩せることで、入れ歯が動きやすくなります。
③見た目が変化する
顎の骨が下がると、口元がへこんで「老けた印象」になりやすくなります。
④かみ合わせのバランスが崩れる
骨が減った部位を放置すると、隣や向かいの歯が倒れたり伸びたりして、咬み合わせが乱れていきます。
骨はどのくらいのスピードで減るの?
抜歯後、半年〜1年で大きく骨が減少するといわれています。
特に最初の6か月間は骨の吸収が急速に進む時期で、その後は緩やかに減少します。
抜歯直後〜半年:高さ・幅ともに大きく吸収
1年以降:緩やかに吸収が続く
時間が経つほど骨造成が必要になる可能性が高くなるため、早めの治療計画が重要です。
骨が少ないと言われた場合の対処法

①骨造成(GBR:骨誘導再生)
不足した骨を人工骨や自家骨で補い、インプラントができる土台を作る方法です。


②ソケットリフト・サイナスリフト(上顎の場合)
上顎奥歯の骨が足りない場合、上顎洞を押し上げて骨を増やす手術です。


③即時インプラント
抜歯と同時にインプラントを入れることで、骨の吸収を防ぎやすい方法です。(症例により可否あり)

骨が減らないようにするためにできること
- 抜歯後は早めに治療を計画する
- 抜歯と言われるような歯の場合は膿みや炎症が大きくなってより骨が減らないうちに主治医と抜歯を検討する
- 歯周病をきちんと治療してから抜歯する
- 定期的なメンテナンスで骨の健康を守る
当院での対応
当院では、CT撮影による精密な骨診断を行い、骨量に応じて最適な治療プランをご提案します。
骨造成(GBR)、ソケットリフト、サイナスリフトなど、難症例にも対応可能です。
まとめ
骨が少なくてもインプラントがまだできる場合があります
歯を抜いた後に骨が少なくなるのは自然な現象ですが、 適切な治療と計画を立てればインプラントを行える可能性は十分にあります。
「骨がないと言われた…」と不安な方も、まずは正確な診断を受けることが第一歩です。
当院では、専門的な検査と骨造成にも対応し、患者様に最適な治療をご提案しています。